2012年6月16日土曜日

戸籍のない社会


ここのところ眠くてしかたがない。倒れこむようにベッドに転がっては、ほっぺたにマクラの跡をつけている。

眠ってるあいだに魂が肉体を離れて・・・「あぁ 離れたなぁ」・・・という感覚を感じる。

肉体を離れた魂は、誰かと会議をしてるらしい。もちろん何の会議なのかは知らない。当然、誰と会ってるのかも知らない。

そのせいか最近は、やたら勘が冴えるようになった。


そういえばこないだ、福岡の大宰府で古い木簡が見つかった。1300年以上前に島評(しまのこおり)という場所に暮していた人々の戸籍だ。

この辺りはそのむかし「イト国」があった地域だ。そしてわたしは「怡土(いど)」に縁がある。

もちろん木簡が使われた時代よりずっとむかしの話しだが・・・唐津湾を挟んで反対側にはマツラ国の見借(みるかし)がある。前の日にこの辺りのことに思いを馳せていた。ニュースを見てびっくりだ。


最古の戸籍・・・こんなに昔から戸籍というのがあった。戸籍は徴税と懲兵のために作られる。それは間違いない。

「兵士」という文字が見える。裏には「進大弐」とあって、これは大宰府の職名だ。官位比較では正五位くらいらしい。それでも次官クラスのようなので、けっこう力があったのかもしれない。

名前はタケルベノナルトさん・・・ナルト? どこかで聞いたことがある名前だ。

女性の戸主もいる。夜乎女(よこめ)さん・・・か? 残念ながら、なんて読むのかわかない。

海の村では・・・確か女性の戸主の方が多かったはず・・・で、そうすると此処の人たちは、壬申の乱以降ここへ配属された・・・ともとれる。

ここは防人の国だ。どんな暮らしをしていたのか想像してしまう。


そんな戸籍が、ある日突然無くなったらどうなるだろう・・・。戸籍の無い・・・いらない社会・・・。理想だなぁ。

この時代には、戸籍を持たない人たちがずぶんいただろう。
人は誰のモノでもない、自分は自分のモノだから。自分のことは自分が知っていればじゅうぶん。

彼らは互いに助け合うので、朝廷の力などいらない。そして、自分たちが必要とするものを、必要なだけ手に入れる。余分なものはいらない。

必要以上に求めれば自然はバランスを崩し・・・自然の一部である自分たちもバランスを崩す。そういう人たちは宇宙の法則を肌で知っていた。

彼らはやがて自立コミュニティのリーダーを生み出し、始まったばかりの律令制度を拒みはじめる。少し後の・・・鬼にされた酒呑童子もそのひとりだった。

まだ、自分が何者なのかを・・・ちゃんと知ってる人たちがたくさんいた、遠いむかしの話だ。




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