ここには古い形の鳥居が建つ。鳥居(とりい)は十理霊(とりひ)といって、言霊の構造を表している。
この写真の場合、注連縄の先端は回転・・・「渦」を表しているのだと思う。「渦」は陰と陽・・・女性性と男性性でもあり、宇宙のリズムでもあり、原子の動きでもある。
この国にはいたるところに言霊が溢れている。形としてあるいは響きとして残された言霊たちは、先人たちが後世の人類に伝えようとした宇宙レベルの科学なのだろう。
たとえば、鳥居の最上部に横たわる笠木は、あ列十音の言霊配列で・・・
スサノオの言霊構造では・・・・・「あ・かさたなはまやら・わ」となり
アマテラスの言霊構造では・・・・「あ・たかまはらなやさ・わ」となる。
「あ」から「わ」・・・「アワ」だ。日本人はこの「アワ」のことを、何故かよく知っていたりする。
横の十列に縦の五行を合わせてゆくと50音となる。50音はそれぞれに陰陽のパートナーを持っていて・・・陰陽の渦・・・それぞれが動くと「ハタラキ」が現われる。
渦が動くとエネルギーが発生する・・・と思えばわかりやすいと思う。正確ではないけれど・・・ややこしくなるので、ここでは書かない。
注)「ん」はつなげる言霊で中庸をしめすので、今は「ん」は入れずに50音として進めてゆく。
ただ・・・50音のうちの一音だけ、遠いむかしにパートナーを隠されたようで、おまけにその一音はけっこう大事な一音で・・・それも「陰」の女性性。そのおかげで物質文明が暴走して、多くの不安や恐怖を生み出してしまった。
きっと「不安」や「恐怖」をエサにしている何者かが隠したんだろう。
その隠された文字がどれなのかは、重複している文字を調べるとすぐわかる。
重複しているのは・・・「い」「う」「え」の三文字だ。これらが入っているのは、や行とわ行。
さらに、や行とわ行を「Y」と「W」にすれば分かり易い。
まず、や行では・・・
「Ya・Yi・Yu・Ye・Yo」となる。「Yi」「Ye」というのは隠れ神として存在しているので問題ない。
それでは、わ行はどうか・・・。
「Wa・Wi・Wu・We・Wo」となる。「Wi」と「We」と「Wo」はそれぞれ「ゐ」「ゑ」「を」に相当するのだが、「Wu」に相当する文字がない。
そう、隠されたのは「う」のパートナー「Wu」だ。
「う」は「生む」や「生みだす」・・・物質文明を生み出した言霊。
そのパートナー、陰なので女性性・・・つまり、男性性の陽の「う」は彼女を隠されたのだ。ひとりだけ彼女がいない「う」は、だから暴れまわったわけだ。
ちくしょ~!!・・・みたいな。いやいや、これは科学の話しだ。
ところが、この「Wu」ちゃんも最近見つかったようなので、実のところそんなに心配はいらない。
どこに隠されていたかというと、人のこころの中に「戸」があって、その「戸」の向こうに隠されていた。その戸が開いたことを「岩戸開き」という。
五十の戸が開いたので「五十戸(いわと)」開き。「う」の戸が開いたわけだ。
「Wu」ちゃんがどんな文字かというと・・・「司」のカギの中の横棒と口を取って、カタカナのコを入れたような文字だ。
それが「う」の陰の役割をする。
「う」の陰の役割とは、たぶん・・・何のためにモノをつくるのか・・・ということを気づかせてくれる・・・こと。
陽の「う」とのバランスが戻れば、欲望の方向性を正して・・・欲を深めるのではなく、欲を高めることに気づかせてくれる・・・はず。
「利他貢献」「自他共生」
人は誰かのために生きている。それは一人の例外もない。みんな誰かのために生きている。
ということは同時に、誰かは自分のために生きてくれているということだ。
憎まれ役も、恨まれ役も・・・みんな誰かのために生きていて、誰かは自分のために生きてくれている。それが宇宙のしくみ。
だからこそ、自分らしく生きることが・・・つまりは誰かのためになるわけだ。
あと少し、キツイ時代が残ってるけれど・・・スサノオの言霊構造も、やがて正常な動きをとり戻す。